脳神経内科とは
脳神経内科は2018年まで神経内科という名前でした。神経内科という名称は精神科や心療内科と間違えられやすいこともあり、脳神経内科という名称に変更となりました。なので、脳神経内科イコール神経内科です。精神科や心療内科は精神的な問題を扱う科ですが、脳神経内科は、主に脳や脊髄、末梢神経、筋肉などの病気を内科的にみる科です。
体を動かしたり、感じたりする事や、考えたり覚えたりすることが上手にできなくなった、その他、脳卒中の再発を含めた予防などでお困りの方・お悩みの方はご相談ください。
このような症状、ご相談ください
- うまく手足に力が入らない
- 手足が勝手に動いてしまう
- 歩きにくい
- ふらつく
- 転びやすくなった
- しゃべりにくい
- ものが二重にみえる
- 頭痛・片頭痛
- 物忘れ
- 最近、怒りっぽくなった
- めまい
- しびれ
- 言葉が出にくい
- 手足や声のふるえ
- ものが飲み込みにくい
- むせる
- 手足や体のけいれん
- 顔やまぶたがピクピクする など
神経学的診察法などを用い身体のどこに問題があるかを特定していきます。CT検査・MRI検査・核医学検査などの画像検査が必要な場合は、連携している検査施設や医療機関をご紹介致します。どのような疾患があるのかを診断したのち、治療を開始していきます。
既に他院で画像検査等を受けられている患者さんは、初診時に画像データをお持ちいただけますと、よりスムーズに診察が進みます。
脳神経内科の主な疾患
- 脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)
- 頭痛(片頭痛・緊張型頭痛など)
- 認知症(アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症など)
- パーキンソン病、パーキンソン症候群
- 脊髄小脳変性症
- 多発性硬化症
- 筋疾患、重症筋無力症
- 末梢神経障害(糖尿病性末梢神経障害など)
- てんかん
- むずむず脚症候群 など
脳卒中(脳血管障害)の予防・継続治療
脳卒中(脳血管障害)とは、脳の血管が詰まる「脳梗塞」や、血管が破裂してしまう「脳出血」「くも膜下出血」によって脳細胞が障害される病気です。脳だけではありませんが、血管障害の危険因子としては、高血圧症、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病や不整脈(心房細動)などが挙げられます。いずれの場合もまずは生活習慣病の改善と治療を行い、動脈硬化を進めないことが大切です。
また「一過性脳虚血発作」といわれる脳梗塞の前触れ発作を見逃さないことも重要です。この段階で適切な治療を開始すると、脳梗塞を予防できる可能性が高まります。このような脳卒中発作を起こした人の再発率は年間5-10%程度とかなり高いことが分かっており、適切な治療継続が望まれます。
当院では脳卒中専門医による脳血管障害の予防に加え、より専門的な生活習慣病の診療が必要な方には、糖尿病専門医・内分泌内科専門医による診療も併設しています。
頭痛の診断
頭痛、と一口にいっても原因は様々です。もっとも大事なことは命に関わる頭痛を見逃さず正確に診断し、治療を開始していくことです。
問診や診察を経て頭部の画像検査(MRIやCT検査など)が必要な場合には、当院と連携している検査が可能な施設をご紹介いたします。当日あるいは翌日には検査が可能です。また頭痛の原因に、思わぬ内科的な病気が隠れていることもあります。
「今まで感じたことのない頭痛」「頭痛が出ると動けなくなる」「最近、頭痛薬を飲んでも効かない」などお悩みでしたら、お気軽にご相談ください。
物忘れ・認知症
認知症とは、人が大人になってから(十分に脳が発達してから)脳の病気や障害など様々な原因により、認知機能が低下し、社会生活・日常生活に支障をきたすようになった状態のことです。
認知症の原因として有名なのは「アルツハイマー型認知症」ですが、「認知症」といっても様々な種類があり、認知症を引き起こす疾患も複数あります。
なかには「正常圧水頭症」や「慢性硬膜下血腫」のような早期であれば治療可能な認知症が隠れていることもあります。まずは、認知症のタイプを診断し、現状を把握することが大切です。
認知症のサイン
認知症の早期発見・治療において、「ご家族の方の目」は非常に大事です。
- 同じ話を何度もする、確認する
- 食事したことを忘れる
- 感情のコントロールができなくなる
- 自宅に1人で帰れない、慣れたはずの道で迷う
- 洗濯や掃除、入浴などができなくなる
- 探し物をする回数が増える
周囲から見てこのような症状がないか確認してみてください。
パーキンソン病
パーキンソン病は「動きがぎこちなくなった」「歩くのが遅くなった」「手足がふるえる」などの症状が出る神経変性疾患です。初期の症状が目立たないことから、自覚症状が起きた場合にはすでに進行していた事例もよくあります。パーキンソン病の発症原因は未だにはっきりと解明されておりません。
しかし、医療技術の進歩によって、近年では症状を落ち着かせる治療薬がたくさん登場してきています。早期発見・治療を行うことで、生活に支障がないよう治療していきます。
パーキンソン病のサイン
- 動きがぎこちなくなった
- 歩くのが遅くなった
- ゆっくり動いてしまう
- 手足がふるえる
- 筋肉がこわばる
- 転びやすくなった
- 声が出にくくなる、小さくなる、かすれる
- 表情の変化が乏しくなる
- 飲食物が飲み込みにくい(嚥下障害)
- むせやすい、薬が飲みにくい など
進行性の病気だからこそ、すぐに頼れるかかりつけ医を
パーキンソン病は進行性の病気です。進行スピードは人それぞれですが、進行すると寝たきりのリスクが高まり、車いす生活になる可能性が出てきてしまいます。治療は長期間継続するため、定期的に通院できるかかりつけ医を持ちましょう。
その他の神経難病
神経難病とは、脳や神経に発症する難病のことです。「難病」のため治療方法や原因が確立されておらず、完治させるのは難しい場合があります。しかし、日々の医療技術の進歩により、日常生活を送れるようになったり、病気の進行を防いだりする治療方法が開発されてきています。
当院では神経難病の治療に対応しております。お気軽にご相談ください。
めまい
めまいは、体の平衡感覚に関する場所に、何らかの不均衡状態が生じたときに感じる症状です。体の平衡感覚を保つには、目からの視覚情報、耳からの感覚情報、筋肉や関節からの感覚情報を入力し、大脳・脳幹・小脳といった脳で統合し、その情報を筋肉の動きに出力することにより成り立っています。
たしかに多くのめまいは、耳(三半規管)の問題ですが、これらの場所どこに問題があってもめまいは出現します。特に、めまい症状が出現したときに、物が二重に見える、しゃべりづらい、真っ直ぐ歩けない、などの症状もあれば要注意です。一過性脳虚血発作の可能性があります。また意識が遠のく感じがあれば、不整脈などの可能性もあります。
めまいについてご心配なことがありましたらお気軽にご相談ください。
しびれ
しびれは、「ビリビリ」「ジンジン」「皮膚の上に何か被さっている感じ」など感じ方によって表現は様々です。また針などで突かれても痛みを感じにくくなる感覚低下を伴っていたり、逆に少しの刺激を敏感に感じる場合もあります。
感覚は、手足の末梢神経から最終的には脳で感じており、どこの神経に問題があるか、原因は何か、によって感じ方が変わってきます。しびれの原因を明らかにしたい方などお困りでしたらご相談ください。
ふるえ
ふるえは誰しもよく経験する現象です。寒さや緊張など、正常な生理現象によるふるえに加えて、病気が原因のふるえもあります。
何らかの病気が原因で、手足や頭、声などにふるえが生じることがあります。高齢者に多く見られる本態性振戦や、パーキンソン病などの神経難病によるふるえ、甲状腺機能亢進症からくるふるえなど、原因となる疾患はたくさんあります。
ふるえで命に関わるような病気である可能性は低いですが、字が書けない、食事ができない、人目が気になり外出できないなどお困りお方はご相談ください。
力が入らない
疲れているわけではないのに、「よく転ぶ」「箸を落としてしまう」「手足や顔を自由に動かせない」「思うように話せない」などの症状がある場合は、脳や末端神経などに何らかの異常が生じているかもしれません。特に、急な症状の場合は脳卒中(脳梗塞・くも膜下出血・脳出血)などの疾患が疑われますので、放置せずに受診するようにしましょう。
顔面痙攣・眼瞼痙攣・痙性麻痺
目の周囲や口・頬が勝手にピクピクと動いてしまう、瞬きが上手くできない、手足が固くなり動かない、といった症状がある場合は、「顔面痙攣」「眼瞼痙攣」「痙性麻痺」といった疾患が疑われます。詳しく診察させていただき、適切な治療を提供いたします。
てんかん
てんかんとは、突然意識を失ったり、全身のけいれんを起こし反応がなくなったりする「てんかん発作」を繰り返し起こす疾患です。てんかん発作は脳の一部の神経細胞が異常な電気活動を起こすことで生じると言われています。多くのてんかんは、抗てんかん薬の服用で症状を抑えることができますが、「難治症てんかん」の場合は専門的なてんかん治療を行う必要があります。